学生の頃になりますが,'95 DSP Solution Challengeへ挑戦し東日本地区優勝をいただいたときの話です。


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What's DSP Solution Challenge

Let Me Introduce Our Team "Madaka Madadays"

Application

Commendation Ceremony

Preliminary Contest in Asia



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What's DSP Solution Challenge


 DSP Solution ChallengeはTexas Instruments(TI)社主催の大学生を対象とした世界的なコンテストです。DSPを用いた独創的なアプリケーションをデザインし世界中の大学生が競うのです。地区予選,ブロック予選,決勝大会という3構成になっています。日本は地区予選では西日本地区,東日本地区と2つ分けられています。この地区予選で優勝するとブロック予選に進めるのです。ブロック予選はアジア,アメリカ,ヨーロッパの3ブロックあり,各ブロックで優勝したチームが決勝大会へ進めことができます。この決勝大会で世界グランプリ(賞金総額10万ドル)が決定します。私の記憶では確か2年に一度開催されています。

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Let Me Introduce Our Team "Madaka Madadays"


 1995年に開催された'95 DSP Solution Challengeに私たち電力情報工学研究室のメンバーは優勝賞金を目当てに参加しました。このコンテストでは1チームは5人以下の学生とスーパーバイザ1人で構成することルールとなっています。それではチーム"Madaka Madadays"のメンバーを紹介しましょう。
スーパバイザ
すーぱー(?)そね教授
学生
ウルフまつもと
ホットマンはるき
ヒンディーよしだ
アフロよしい
ミッドナイトメンテナンサーなかやま

 チームとしては上記のメンバーですが,これは単なる登録メンバーであり研究室の多くの方の協力がありました。尚,このチーム名"Madaka Madadays"というのは,スーパバイザ教授から「論文はまだかー」と怒鳴られ「まだです」とこたえる毎日のやり取りからとっています。

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Application


 DSP TMS320C40(TI社)を用いた32基マルチDSPシステムの設計・開発を中心とした並列処理の研究で,さらに,それを用いた並列処理アプリケーションツールをして,電力系統解析と有限要素法解析,またソフトウェアツールとしてタスクスケジュール及びDSP用コンパイラの開発までを1つのプロジェクトとしてDSP Solution Challengeに挑みました。 論文提出まで1年の期間があったのですが,多くの壁がありました。ハードウェアのデバック・メンテナンス,アプリケーションのデバッグ,またハードのバグなのかソフトのバグなのか分からず悩みつづけた日々もありました。
 なんといっても一番苦労したのが,英語での論文提出でした。これはホントに苦労しました。チーム内には英語が得意って人はいなかったし,毎日スーババイザに「まだできないのか」と言われて,精神的にも肉体的にも極限の状態でした。これにくらべたらハードのデバッグの方がまだ気が楽でした。

図1 Multi DSP System (TMS320C40 x 32)


図2 有限要素法解析


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Commendation Ceremony


 論文も無事提出しあとは発表を待つだけです。96年2月中頃だったと思います,ついに審査結果の知らせがはいりました。見事に「東日本地区優勝」。やったね!苦労が実りました。
 96年2月29日,ホテルニューオータニで授賞式が行われました。授賞式には国内の各参加校,TI社の方々,そしてマスコミ関係者が出席しておりました。今回のコンテストは全世界で234校,日本では18校ということでした。東日本地区優勝はもちろん我ら武蔵工業大学電力情報工学研究室,そして西日本地区優勝は大阪大学でした。表彰のとき,メンバの名前が一人ずつ呼ばれ,それぞれメダルと世界時計を,また各優勝チームにはクリスタルのトロフィーと賞金1000ドルをいただきました。メダルをいただくときはさすがに緊張しました。
 授賞式のあと,デモンストレーション及び懇親会が開かれました。私は,Multi DSP Systemを会場までバラして運び,そこで組み立てたので,ちゃんと動いてくれるかどうか一番心配でした。祈りが通じたのか,問題なく動作したのでホッとしました。結構,デモンストレーションは好評だったようです。
 大阪大学の題目は「実時間による人間の動きのトラッキング」ということでした。カメラでとらえた映像から,どこが動いている人間なのかを認識する技術でした。デモンストレーションは実機でなくビデオでの紹介でしたが,やはり西日本優勝チームだけあってすばらしいものでした。
 この授賞式は歓喜と緊張の連続で,私にとって一生忘れられない思い出です。

「TI DSPソリューション・チャレンジ」地区優勝校決定

 

図3 メダルと世界時計


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Preliminary Contest in Asia


 東日本地区優勝を果たした我がチームは,アジアブロック予選へと駒を進めました。ここで優勝すれば,アトランタ(だったと思う)での決勝大会に進出できます。審査発表は2ヶ月後くらいにありましたが,シンガポールのチームが優勝し,我がチームの予選通過はなりませでした。やはり英語がネックになってしまったようです。尚シンガポールのチームは決勝大会でも優勝しました。同じアジアブロックとして嬉しいかぎりです。
 決勝大会進出はなりませんでしたが,参加申し込みから授賞式までの約1年間,苦労もあり喜びもありと大変思い出に残る期間でした。

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